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首が傾いている!?エンセファリトゾーン症
2歳、ネザーランドドワーフ、オス
首が傾いていること(斜頸)に気づかれ来院されました。ウサギさんで斜頸が見られる場合、バランス感覚に影響を与える中耳炎や内耳炎、頭の中の病気(頭蓋内疾患)、そして感染症であるエンセファリトゾーン症などが原因として考えられています。
今回は、その中でも比較的多く見られるエンセファリトゾーン症についてご紹介します。
エンセファリトゾーン症とは?
エンセファリトゾーン症は、日本で飼われているウサギの多くが感染しているといわれている病気です。
ただし、感染していても免疫の働きによって症状が出ないことも多いのが特徴です。しかし、環境の変化や体調不良、強いストレスなどをきっかけに発症することがあります。
症状と検査
主な症状として、首が傾いて見える斜頸。病気が進行した場合、腎臓への影響による元気・食欲の低下。目に炎症が及び、白く濁って見える。などがみられます。
検査では、血液検査によるエンセファリトゾーンに対する抗体価の測定、腎臓に異常が出ていないかの確認を行います。
また、斜頸の原因として中耳炎や内耳炎、頭蓋内疾患が疑われる場合には、CTやMRI検査を提案することもあります。ただし、ウサギのCT・MRI検査は当院では実施できないため、必要に応じて専門施設をご紹介しています。
治療と経過
今回の症例では、腎臓や目への影響は認められませんでしたが、エンセファリトゾーン抗体価が高値を示していたため、抗原虫薬による治療を開始しました。
治療開始後、徐々に斜頸は改善し、投薬開始から約1か月でほとんど分からない程度まで回復したため、治療を終了しました。
おわりに
今エンセファリトゾーン症は、発見や治療が遅れると腎臓や目にも症状が現れ、重症化した場合には失明や命に関わることもある病気です。
また、斜頸が強い場合には、転げ回ってしまいケガをする危険もあります。
「首が傾いているかも?」と感じた場合は、できるだけ早く動物病院を受診することが大切です。